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若いこと

「若くていいねえ」と言われる。
 あまりに言われるので、もはや大阪の繋ぎ言葉を掛け合っているかのようだけど、多分若さを偲ぶ心持ちが何処かあるのだろう。




 自分はまだ10代後半に踏み込んだばかりで(「まだ」というべきか否かはさておき)、「高校生」という大人たちが口々に青春の形のように語る3年間の中にいる。学校は楽しいけど、やっぱり考えていたような「高校生活像」などひとつも見ることなんかできやしない。勉強が急に難しくなったって、中学時代に教科書に散らばっている難儀な記号を眺めた時のわくわくなど寸分も感じなかった。
 僕はそんなことから、中高は青春などという型通りの言葉を信じられないでいるのかもしれないな。




 僕と同じで、きっと年上や大人の方が喋りやすいって思っている人は沢山いると思う。
 前々からおかしなことを言うようだけれども、僕は究極に行き詰まった時に客観的にものを見て、半ば俯瞰を通り越しまるで偉人、律人かのように愚行を眺める悪癖がある。
 進路のことで、2012年頭に荒れてから、僕は「自分はひとりで生きていける」と本気で信じていた。俺は森で動物たちとゆっくりお茶をしながら暮らす、みたいなことを本気で考えていた。人を遠ざけようとしながらも、不安で自分の立ち位置が見えず、それを映し出す相対的な光として、他人の言行や嗜好のおこぼれを得て生きていたようなものかもしれないな。ちょうどそのころ、「とある魔術の禁書目録」というアニメが流行っていて、アクセラレータつまり一方通行さんがめちゃくちゃ好きだった。というのも今考えれば単に「かっこいい」と感じただけなんだろうが、当時はこいつは自分の生き写しだ!(あくまで「自分が生き写されている」とは言わない)などと決め込んで、きっと似ているのだから自分だってベクトルだってなんだって司れるだろう、どうやるのか研究してみようかなどと考えたり。
 いわば「中二病」と言われる現象だ。なんて的確なんだろう。




 結局、「自分は『一人』なのではなく、自ら『独り』を選んだ」といかにも崇高な思想のように散々語った僕は家族で揉めて家を出てしまった。変な思想に拘るから、厳冬にも関わらず氷点下の栗橋のベンチに身を置いた。死ぬかと思ったよ。逆によく死ななかった。でもつまらなくなって、途中で「別に死んでもいいかな」ぐらいの軽い気持ちで死への感興を思い描いたりした。僕は高速道路と利根川を下に見下ろす、さほど大きくない陸橋にて遠く下を見た。夜だったから、下はまるで筒が抜けたかのように真っ暗だった。
 ああ情けない!僕は死ぬのが怖かった!
 こんな一溜まりもない、延命のようにでもなんとか生きようと思う気持ちはこうやってあまりにも呆気なく叩き込まれた。自称レベル5の人間が、ただ自由落下すらもできずに家に帰ることがどんなに冷酷な屈辱であることか!でも、そんな大きな「根拠のない自信と矜持」を打ち破れた瞬間に全てが自分に味方をするかのような、追い風を感じるから不思議。




 そんな波瀾万丈な出来事以来、自分は人間を客観的に見ることでコーピングをしてきたように思える。しかし同時に、同級生や同年代の人間が幼稚に見えてしまって、ストレスそのものは増えた(もちろん、その本質は異なる)と感じる。今こうして朝方をさっさと潰すため手持ち無沙汰に書いているけど、これから行く学校でも同じことを感じるに違いない、現在進行形なことだから。誰もがこんな波瀾万丈な経験をするとは限らないけど、必ず何かしらの沈みがくるものだと今なら言えるのだ。




 きっと今葛藤の中にある人々はこんな経験談を聞いて「そんなわけがない」とか「過ぎたことを一般化して何の役にも立つまい」と思い、また憤るのかもしれない、というかもはや確約された若者のレールなんだと思う。「俺は一人で生きる」野望を睨む若者なら、ひとりで生きる錯誤をしてみたらいいと思う。「家族と口をきかない」と誓ったあなたは、絶対に家族と会話を交わさない努力をしてみたらいい。隣人とは何か、人に問うまでもなく知ることができる。




 若者でいいなあと言われるのは時間が沢山ある、行動力があるなど色んな要因があるのだろうが、一番に「抗っても許される時代」を語りたいように見える。抗ってもきっとまだあなたを見てくれている人間がいる。喧嘩をして、もう二度と口をきくもんかと暴言を浴びせたって、きっと母親は涙しながらもラップをかけた夕食を冷蔵庫のなかにでも忍ばせてくれる。迷惑をかけたら孝行をしろ。自分を忘れないで見てくれる誰かの存在を忘れるな。それは葛藤の渦中から抜けるまでは見失ってもいいことだ。葛藤は多いに渦に巻かれて死にかけるべきだ。そして這い上がったときには、見出した隣人に大いに孝行するのがいいだろう。




 だいたい書きたいことを吐き出した。
 最後になったが、授業で水泳が始まったんだけど池の如く濁った水の中を泳がせないでっ!!( ; ω ;` )
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